サステナビリティイベント「SDG Tech Awards 2021」とは?受賞した13社を紹介(前編)

全3回となる特集記事で、2021年11月に開催されたSDG Tech Awardsについて解説します。サステナテックを表彰するこのイベントでは、13社が受賞しました。前編となる本記事では、SDG Tech Awardsの概要や背景などについて解説します。受賞した13社の詳細は、中編と後編の記事で紹介します。

SDG Tech Awardsとは?

Image: SDG Tech Awards / official website

SDG Tech Awardは北欧最大のサステナビリティイベントで、気候変動やグリーン経済への移行に関するCOP26の議論に参加することを目標としています。2021年のイベントは、11月10日にデンマークのコペンハーゲンで開催されました。スタートアップや中小企業、大企業が生み出すサステイナブルな技術を表彰し、組織を超えて共創するコミュニティを構築しています。

13部門

今大会では、600社以上の候補者の中から65社以上がファイナリストとなり13社が受賞しました。SDG Tech Awardsが設定する以下の13部門で1社ずつ選ばれています。

  1. サーキュラーエコノミー
  2. サステイナブルな都市
  3. 食品とアグテック
  4. エネルギー
  5. 消費財
  6. デジタルソリューション
  7. 研究
  8. ベストスタートアップ
  9. ベストカンパニー
  10. 一般投票
  11. サステナビリティリーダー/企業
  12. サステナビリティリーダー/スタートアップ
  13. サステナビリティリーダー/中小企業

主催団体:Sustainary

SDG Tech Awardsは、グローバルな非営利団体であるSustainaryが主催しています。Sustainaryは、デンマークのコペンハーゲンを拠点として2018年に設立されました。サステイナブルテクノロジーへのアクセスと知識を発展させることで、アイデアの共有とグリーンビジネスの促進を目指しています。

また、SDG Tech Awardsをはじめとするイベントやプラットフォームを運営し、スタートアップやエンジェル投資家、デザイナーやコミュニティの活動家、コンサルタントや大企業に政府関係者などさまざまなセクターの人々が共創する場を作っています。

Sustainaryが運営するプログラム

同団体では、SDG Tech Awardsの他にもいくつかのプログラムを運営しています。

The Green Crowdfunding

The Green Crowdfundingは、サステイナブルビジネスに取り組むスタートアップを支援するアクセラレータープログラムです。第一回のプログラムでは、40社のグリーンスタートアップを支援しました。続く二回目のプログラムでは、さらにコラボレーションのクオリティを上げるために15社のみを選抜しました。

プログラム参加者は、専門家のサポートを得ながらクラウドファンディングを実施でき、知識豊富なメンターからのサポートや、Sustainaryのコミュニティへの参加資格なども得られます。

The Green Crowdlending

The Green Crowdlendingは、グリーン化に取り組む企業向けの貸付型クラウドファンディングを支援するプロジェクトです。企業は、大勢の多様な人々から貸付を受けることによって、銀行ローンよりもシンプルで公平な条件で資金調達ができます。また、クラウドレンディングを通して、自社や製品に関心の高い人々のコミュニティを構築することも可能です。

このプログラムのパートナーであるCoopのクラウドファンディングおよびレンディングプラットフォームには、27,000人以上のメンバーがいます。

Greater Green Hub

Greater Green Hubは、Sustainaryのメンバー限定のプライベートネットワークで、北欧最大級のサステナビリティコミュニティです。Greater Green Hubでは、アイデアやチャレンジした経験の共有、メンターや投資家との交流のほか、ワークショップやイベントに参加することが可能です。

SDG Tech Awardsの歴史

SDG Tech Awardsは今大会を含め、これまでに4回開催されています。ここでは、過去3回の大会について簡単に紹介します。

2019年デンマーク大会

最初の大会は、2019年6月にデンマークで開催されました。290社の候補の中から129社が認定され、15社が受賞しました。設置部門と受賞者は以下の通りです。

・「サーキュラー」部門:ReFlow Maritime

・「ゴミの削減」部門:Carlsberg Group

・「資源管理」部門:HPNow

・「ソーシャルベネフィット」部門:Canopy Lab

・「食品とアグテック」部門:Chr Hansen

・「建設・工事」部門:ROCKWOOL

・「SDGsパートナーシップ」部門:Hello Science

・「フィナンシャルサポート」部門:Pension Danmark

・「ジェンダー平等」部門:Female Invest

・「ヘルス」部門:Solar Sack

・「大学・都市」部門:ARCAB Aarhus University

・「一般投票」部門:Aryze

・「ベストスタートアップ」部門:HPNow

・「ベストNPO」部門:Foundation for Environmental Education

・「ベスト企業」部門:Danfoss

2019年ブラジル大会

同じく2019年7月には、ブラジルでイベントが開催されています。ブラジル大会では106社がノミネートされ、3社が受賞しました。設置部門と受賞者は以下の通りです。

・「デジタル・ソリューション」部門:Sintecsys

・「ジェンダー平等」部門:Blend Edu

・「一般投票」部門:Netword Agro

2020年デンマーク大会

3回目の大会は2020年10月にデンマークで開催されました。300以上の候補から60社のファイナリストが選ばれ、そのうち15社が受賞しました。設置部門と受賞者は以下の通りです。

・「教育とパートナーシップ」部門:Emergency Architecture & Human Rights

・「研究とビジョナリー」部門:NatuRem Bioscience

・「資源管理」部門:Siemens Gamesa

・「プラスチックと廃棄物」部門:Waste Outlet

・「サステイナブルな都市」部門:Lendager Group

・「食品と農業」部門:Fresh.Land

・「ヘルス」部門:Blue Ocean Robotics

・「EU グリーンウィーク」部門:Robotto

・「ファッションと商業」部門:Wair

・「ダイバーシティ」部門:Develop Diverse

・「ベスト企業」部門:Chr. Hansen

・「ベストスタートアップ」部門:Nerve Smart System

・「ベストNGO」部門:UNLEASH

・「一般投票」部門:EcoTree

・「ネクストジェネレーション」部門:Jesper Panduro – CEO at Skagerak

まとめ

本記事では、SDG Tech Awardsの概要や主催者、過去の大会などについて紹介しました。世界にはさまざまなサステナテックやグリーンテック企業がありますが、SDG Tech Awardsなどの受賞者を確認することで、その企業の成果を知り将来性を予測することができます。

続く中編および後編の記事ではいよいよ、2021年11月の大会での受賞者を詳しく紹介していきます!

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