Blickfeld、センサーのスマートLiDAR化により統合されたモーション検出を実現
2021年4月22日、ミュンヘン、LiDARメーカーであり認識ソフトウェアプロバイダーのBlickfeldは、同社のセンサーでスマートLiDAR機能を実現します。これにより、Blickfeldのセンサーは、詳細な三次元データを収集するだけでなく、デバイス上での前処理を通じて豊富な情報を計算・提供できる初のLiDARセンサーとなります。この前処理は業界初であり、LiDARに統合された高性能コンピューティングチップセットによって実現されます。Blickfeldによって導入された最初の機能は、モーション(動き)検出を可能にする前処理アルゴリズムです。その結果、スマートLiDARは、アプリケーションやソリューションに、より簡単で、より速く、より費用対効果の高い形で組み込むことができます。
コンピューティングハードウェアの統合により、デバイス上のデータ処理が可能になります
スマートLiDARは、三次元測定に加えてインテリジェントな前処理機能を備えているのが特徴です。これらの機能により、収集されたデータは処理パイプラインの早い段階で有益な情報に変換され、そうしたステップを実行するために外部のコンピューティングハードウェアを必要としません。それに代わり、Blickfeldのセンサーには独自のシステムオンチップ(SoC)コンピューティングチップセットが搭載されており、センサー自体でアルゴリズムを実行することができます。これにより、デバイス上での強力なデータ分析が可能となり、スマートシティ、セキュリティ、産業などの分野で、多くのユースケースを迅速かつ容易に実現することができます。
初のオンデバイス前処理機能としてのモーション検出
Blickfeldは、さまざまな前処理機能を含む、チップセット用に最適化されたアルゴリズムライブラリを開発しています。提示された初のアルゴリズムは、動的なモーション検出を可能にするものです。ここでは、点群(ポイントクラウド)内の静的な背景を識別して除去し、デバイスがモーション情報のみを送信するようにしています。人や車両などの動的オブジェクトが検出され、その動きとともに強調表示されます。この機能は、BlickfeldのCube 1シリーズデバイスの現在のファームウェアに含まれており、お客様のプロジェクトですでに正常に使用されています。取得したデータは、オープンソフトウェアインターフェースで利用できます。動きを即時に検知できるだけでなく、データ量を通常95%以上削減できるのも利点です。
次世代のLiDARセンサーテクノロジー
現在、Blickfeldはアルゴリズムライブラリの拡張に取り組んでいます。近い将来、環境を捉えて解釈するための前処理アルゴリズムが追加でリリースされる予定です。
多数の機能を柔軟に組み合わせることができるため、さまざまなアプリケーションに適応できます。スマートLiDARのこのような柔軟性と、センサーやインターフェイスの使いやすさは、すべてのユーザーがLiDAR技術を利用できるようにするという目標の実現につながります。
Blickfeldの創業者であるFlorianPetit博士は、次のように語っています。「私たちは、最初からスマートLiDARとしてセンサーを設計し、それに対応するチップセットを設計しました。これらの機能をお客様にご利用いただけるようになったことを大変嬉しく思います。スマートLiDARは次世代のLiDARセンサー技術であり、私たちが業界でこの進化をリードできることは喜ばしいことです。」
Blickfeld(ブリックフェルド)について
2017年に設立され、ドイツのミュンヘンを拠点とするBlickfeldは、最先端のLiDARセンサーと認識ソフトウェアを提供し、無数のモビリティとIoTアプリケーションを実現しています。BlickfeldのLiDAR製品は、マスマーケットに必要な性能、コスト、および寸法に関して、非常に厳しい技術仕様を満たしています。
Blickfeldは、Continental、Bayern Kapital、Fluxunit(照明会社Osramの企業ベンチャー部門)、TEV(Tengelmann Ventures)、High-TechGründerfonds、およびUnternehmertum Venture CapitalPartnersによって支援されています。