グローバルなサステナビリティ認証を紹介します(後編)

サステナビリティ認証は、企業や製品、サービスが、環境や持続可能性に十分配慮していることを証明するための認定システムです。認証を取得することで、企業は環境や社会的責任を果たしていることをアピールでき、消費者や投資家からの支持を得やすくなります。

サステナビリティ認証とは?

サステナビリティ認証(グリーンビジネス認証、サステナブル・ラベルとも呼ばれる)は、ある製品やサービス、それを提供する企業が、環境や持続可能性に十分配慮していることを証明する認定システムです。

本記事では、前回に続いて、国際的に信頼されているサステナビリティ認証を紹介していきます。

サステナビリティ認証の紹介

ここからは、数あるサステナビリティ認証の中から特に有名なものを一部紹介していきます。

Green Business Bureau

Image: Green Business Bureau / official website

Green Business Bureau(GBB)は、オンラインによるグリーンビジネス認証プログラムです。EcoAssessment™、EcoPlanner™、EcoProfile™の3種類のオンラインツールを使い、企業が持続可能なビジネスを行うことを支援しています。

具体的には、GBBのフレームワークとKPIや説明責任を共有することで、利用者のサステナブルな努力の測定やその結果の認証をします。特にターゲットとして意識しているのは中小企業で、サステナビリティの専門家やコンサルタントを雇う時間や予算に余裕がなくても、グリーンな活動ができるようなソフトウェアの提供に注力しています。

BioGro

Image: BioGro / official website

BioGroは、ニュージーランドの代表的な認証制度で、オーガニックな食品や製品の生産者が対象です。オーガニックの専門家チームの支援のもとで、ニュージランドの860以上の農家、生産者、製造業者にサービスを提供しています。

認証ロゴによって、動物実験、遺伝子組み換え、合成農薬の常用がない食品や製品であることが保証されます。また、BioGroは国際的にも認められた認証で、国際プログラムで認定された生産者は、日本や欧米などの海外市場に輸出することができます。

オーガニック認証には、畜産から、ブドウ栽培とワイン、園芸、養蜂、食品加工業までを含む9種類のカテゴリーがあり、それぞれのカテゴリーに合わせた認証制度が用意されています。

CoGo

Image: CoGo / official website

CoGoは、サステナビリティ・データと行動科学「ナッジ」の知見を活用して、人々や企業が地球に優しい選択をするのを促進するアプリや認定制度を提供しています。このサービスは主にニュージーランドとイギリスで利用可能です。

消費者はアプリを利用することで、自分の支出による二酸化炭素排出量を確認することができます。さらに、ナッジを反映したアプリは、二酸化炭素排出量を削減できる選択を消費者に促すように設計されています。

CoGoでは、ファッションや輸送、食品小売など、幅広い業界の持続可能な取り組みを評価し認定しています。認定されるには、提供する製品や事業運営において持続可能な取り組みをしている証拠を提示し、次の目標について誓約書を作成することが必要です。

Demeter

Image: Demeter / Ecocert

Demeterは、バイオダイナミック農法という有機的な方法を用いた生産品を認証する制度です。

バイオダイナミック農法とは、人工的・化学的なアプローチではなく、月の満ち欠けのような自然のリズムや動物との共生、完全に自然由来で有機的な調合剤などを大切にする農法です。1924年に科学者で哲学者のルドルフ・シュタイナーによって提唱されました。

認証を取得するには、Demeterの国際基準に即した定期的な審査と検査を受けることが必要です。欧米諸国に加えて、ブラジルやエジプト、インドにも窓口となる組織が存在します。

Green Key

Image: Green Key / 3BL Media

Green Keyは、観光業などのホスピタリティビジネス向けのサステナビリティ認証です。ホテル・ホステルに加え、キャンプ場、レストラン、小型の宿泊施設、集客施設、カンファレンスセンターが対象で、スタッフの参加や環境マネジメント、ゲスト情報、水、エネルギー、清掃、食事、廃棄物など13項目の基準を満たした施設に認証が与えられます。

現在65か国の3200を超えるホステルなどの施設にGreen Keyのエコラベルが付与されており、ヨーロッパや北米・中米を中心に、ロシアやアフリカ、日本、韓国、中国などにも認証された施設があります。

利用者は、高い基準をクリアしたGreen Keyの認証施設に滞在することで、環境の改善に貢献することができます。

EU Ecolabel

Image: EU Ecolabel / IPC

EU Ecolabelは、1992年に設定された欧州委員会が管理するエコラベルです。原材料の抽出から、製造、流通、廃棄まで製品のライフサイクル全体を通して、高い環境基準を満たす製品やサービスに与えられます。

また、企業に対して、廃棄物や二酸化炭素排出量の削減や、修理やリサイクルが容易な製品の開発を奨励し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献しています。

ヨーロッパ市場には72,000以上のEU Ecolabel認証の製品やサービスが流通しています。ヨーロッパ全体で認められているので、ヨーロッパでグリーンな製品やサービスの販売をする際にはEU Ecolabelを取得することが効果的です。

まとめ

本記事では、前回に引き続き、企業や製品などの環境や社会に対する取り組みを評価し保証するサステナビリティ認証を紹介しました。地域や業界によって認知・信頼されている認証制度は異なりますが、それぞれの事業や戦略に応じて最適な認証を取得することは顧客からの支持を集めるのに役立ちます。

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