B Corpとは?グローバルなサステナビリティ認証を紹介します
サステナビリティ認証は、企業や製品、サービスが、環境や持続可能性に十分配慮していることを証明するための認定システムです。認証を取得することで、企業は環境や社会的責任を果たしていることをアピールでき、消費者や投資家からの支持を得やすくなります。
サステナビリティ認証とは?
サステナビリティ認証(グリーンビジネス認証、サステナブル・ラベルとも呼ばれる)は、ある製品やサービス、それを提供する企業が、環境や持続可能性に十分配慮していることを証明する認定システムです。
国連で採択されたSDGsやESG投資などの概念が浸透するとともに、より多くの消費者と投資家が環境によい製品を求め、持続可能性に対する企業の姿勢を製品購入の判断の基準にするようになりました。企業は、サステナビリティ認証を取得することで環境や社会的責任を果たしていることをアピールし、消費者や投資家からの支持を得ることができます。
信用がある認証の取得が必要
企業は独自の基準で自社の「サステナブル」な製品や取り組みを評価し、時には誇張表現することも可能です。なかには、製品やサービスの競争力を上げる目的で、環境や社会への取り組みについて消費者に誤解をまねく情報を提供する企業もあり、このような行為はグリーンウォッシングと呼ばれます。
グリーンウォッシングは、一部の悪徳企業の問題ではなく、大手企業であっても、十分な科学的根拠なく「エコ」や「グリーン」をアピールしているという理由で広告が使用禁止になった事例も複数存在します。
誤った情報を消費者に提供することを回避し、環境や社会に有益な取り組みを行なうために、信用があるサステナビリティ認証を取得することが重要です。
また、消費者は、購入しようとしている製品やその製造企業が、信頼性の高い第三者機関によって認証を受けているかを確認する必要があります。
サステナビリティ認証の種類
ここからは、数あるサステナビリティ認証の中から特に有名なものを一部紹介していきます。
B Corp
もっとも有名な認証の一つが、B Corp認証です。2006年設立のアメリカの非営利団体であるB Labが、サステナブルな営利企業を認定する制度です。
認定された企業は、福利厚生や慈善活動から、サプライチェーンや原料までを含む企業活動が、パフォーマンス、説明責任、透明性において高い基準を満たしていると保証されます。
B Corp認証を得るためには、B Impact Assessment Scoreで80点以上を取得し、B Labによるリスク審査に合格したり、ガバナンス構造を変更して法的な要件を満たしたりすることが必要です。
Rainforest Alliance
カエルのマークが印象的なRainforest Alliance認証は、持続可能性のなかでも社会・経済・環境の3点を強化する方法で生産された農業製品に与えられます。
このプログラムは特に、生態系の基盤となる「森林」、森林保護を通した「気候変動対策」、児童労働やジェンダー不平等などの労働に関する「人権」、農村コミュニティの経済的安定性を求める「生計」の4項目にフォーカスしています。
認証プログラムを通して、農業生産者は、気候変動に対応したり生産性を向上したりするためのトレーニングやガイダンスを受けることができます。また、企業は責任を持って農作物などの製品を調達することで、消費者や株主に前向きな取り組みの姿勢を伝えることができます。
AsureQuality
AsureQualityは、食品の品質を保証する認定制度です。運営主体のAsureQuality Limitedは1998年の創業で、ニュージーランド政府が所有する国営企業です。
AsureQualityは、ニュージーランド全土の農場をマッピングしたデータベースや、害虫被害などに対応するバイオセキュリティ、家畜動物の福祉や食品の安全保証マーク、生産者やサプライチェーンの認証制度など、農業や食品に関する広範なサービスを提供しています。
認証制度には、園芸輸出、畜産、オーガニック、食肉産業、サプライチェーン、林業の6種類があり、生産者が食品の安全性と品質における高い基準を満たし、ニュージーランド国内および国際市場へ出荷する支援をします。
LEED
LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)は、世界で幅広く適用されている、建築物のサステナビリティ認証システムです。健康的かつ効率的で、コストが節約できる建築のフレームワークを提供し、180以上の国と地域で10万近くのプロジェクトがLEEDに参加しています。
LEED認証を持つ建築物はコスト効率がよく、2015年から2018年の算出では、12億ドル(約1389億円)のエネルギーコストや7.15億ドル(約828億円)のメンテナンスコストなどが削減されました。
認定を受けるには、LEEDの評価基準に準じてポイントを獲得する必要があり、40~49ポイントで通常の認証、50~59ポイントでシルバー、60~79ポイントでゴールド、80ポイント以上でプラチナの認証を取得できます。
まとめ
本記事では、企業や製品などの環境や社会に対する取り組みを評価し保証するサステナビリティ認証について解説しました。信頼のおける認証を受けることで、企業はグリーンウォッシングなどのリスクを回避し消費者や投資家の支持を得ることができます。また、消費者にとっては認証制度を把握することが、責任ある選択につながります。
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