アメリカの有名なアクセラレータープログラムを紹介します
アクセラレーターとは、スタートアップや新規事業を成長させるためのプログラムです。3か月から半年程度の比較的短期間で数年分の成長を促進する、ビジネス版のブートキャンプといえます。本記事では、Y CombinatorやTechstarsなど世界的にも有名なアメリカのアクセラレータープログラムをご紹介します。
目次
アクセラレータープログラムとは
アクセラレーターとは、スタートアップや新規事業を成長させるためのプログラムです。3か月から半年程度の比較的短期間で数年分の成長を促進する、ビジネス版のブートキャンプといえます。
アクセラレーターに加入すると、資金調達の機会やメンターが得られ、スタートアップのその後の成長に大きな影響を受けます。
アクセラレーターで得られるもの
シードファンディング
多くのアクセラレーターではプログラム参加企業にシード投資のオファーを出します。スタートアップは、株式などのエクイティを対価として投資を受けることができます。アクセラレーターは、投資した企業が成長することで運営・投資資金を得ます。
ワークスペース
スタートアップでは作業に没頭する時間が必要なため、集中できる仕事場を提供するアクセラレーターも多いです。コワーキングスペースやプライベートオフィスなど、目的に応じたワークスペースが提供されます。
トレーニング
プログラムでは、さまざまなトレーニング機会を設けています。重要なトレーニングの筆頭が、メンタリング制度です。成功した創業者や投資家、スタートアップのを長させる専門家などがメンターとなります。メンタリングの他にも、セミナーやワークショップ、ピッチの練習などの機会があります。
ネットワーキング
アクセラレータープログラムには、同時に複数のスタートアップが加入し、同期として切磋琢磨します。アイデア交換など同期のイノベーターたちとの交流は、将来的な成功やパートナーシップにつながり、プログラム卒業後に交流を持つことも可能です。また、同期だけでなく、成功した企業の創業者と働くこともあります。
ピッチ機会
プログラム参加企業は、投資家獲得を目的としたピッチを行う機会が得られます。通常はそういう機会を獲得するのも困難ですが、アクセラレーターに参加することで有望な投資家にアピールすることができます。
アメリカのアクセラレータープログラム
Y Combinator
Y Combinatorは、カリフォルニア州を拠点とするシードアクセラレーターです。2005年にポール・グレアム氏、ロバート・T・モリス氏らによって設立されました。これまでに3000社以上に投資し、投資先企業の評価額を合計すると3000億ドル(約33.9兆円)を超えます。
卒業企業には、AirBnB、Stripe、Dropboxなどがあります。
AngelPad
AngelPadは、ニューヨークとサンフランシスコに拠点を持つシードアクセラレーターです。2010年にGoogle出身のトーマス・コルテ氏らが設立しました。半年ごとに約2000件の応募からわずか15チームを選抜する狭き門として知られています。
これまでに150社以上をローンチし、卒業企業の資金調達総額は22億ドル(約2514億円)に上ります。また、MITとブラウン大学による調査では、アメリカで最高のアクセラレーターと評価されました。
卒業企業には、Postmates、Pipedrive、Vungleなどがあります。
Techstars
Techstarsは、コロラド州を拠点とするシードアクセラレーターです。デビッド・コーエン氏、ブラッド・フェルド氏らによって2006年に設立されました。毎年300社が選出され、およそ3か月のプログラムに参加します。これまでに2620社がプログラムを卒業し、投資先企業の時価総額の合計は633億ドル(約7.1兆円)です。
卒業企業には、DataRobot、Outreach、Sendbirdなどがあります。
500 Startups
500 Startupsは、起業家やエンジェル投資家として活動するデイブ・マクルーア氏が2010年に設立した、ベンチャーキャピタル兼アクセラレーターです。分野や地域を越えて2500社以上に投資し、10億ドル(約1143億円)以上の評価額を持つ企業が33社、1億ドル(約114億円)以上の評価額を持つ企業が120社あります。
プログラム期間は4か月で、採用企業は15万ドル(約1714万円)の投資を受けることができます。
投資先企業には、Canva、Credit Karma、Grabなどがあります。
Plug and Play
Plug and Play (Plug and Play Tech Center) は、2006年に設立された世界最大規模の企業イノベーションプラットフォームです。ベンチャーキャピタルとアクセラレーターに加えて、大手企業のイノベーション支援をしています。
アクセラレーターとしては、世界35都市で、年間60以上のプログラムを運営しています。フィンテックやIoT、新素材やスマートシティなどさまざまな分野のプログラムがあります。
投資先企業には、Dropbox、Rappi、PayPalなどがあります。
Capital Factory
Capital Factoryは、2009年に設立されたテキサス州を拠点とするベンチャーキャピタルおよびアクセラレーターです。
一般的な3か月から半年の短期集中型とは異なり、より長期間で資金調達に重きを置いたプログラムを運営しています。参加者は、ビジネスやテクノロジーを専門とする数百人のメンター、サポートチームによる資金調達支援、半年間のコワーキングスペースなどにアクセスできます。
卒業企業には、Aceable、BlueCheck、ZenBusinessなどがあります。
Alchemist Accelerator
Alchemist Acceleratorは、2012年設立のシードアクセラレーターです。消費者向けビジネスではなく、企業を顧客として利益をあげる企業に絞って支援しています。選抜時には、チームに優秀な技術者がいることを重視しています。
これまでに300社以上が参加し、卒業企業の半数以上が資金調達に成功しました。
卒業企業には、ゼネラルエレクトリックに買収されたWise.ioや、Dropboxに買収されたMobilespanなどがあります。
まとめ
本記事では、アメリカのアクセラレータープログラムをご紹介しました。アメリカには、Y CombinatorやTechstarsなど世界的に有名なプログラムが複数存在します。海外スタートアップを調査する際にも、アクセラレーターの卒業生を検索すると優良企業を発見する手がかりになることもあります。
海外スタートアップとの協働や海外進出をお考えの際は、お気軽にお問い合わせください。